シルクロード日記:ウズベキスタン
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 天  候:晴れ  最高高度:968m
最高気温:35度 終点高度:480m
最低気温:-- 終点緯度:40.28.42
走行距離:116.4km 終点経度:71.43.10
走行時間:5時間55分 宿泊:Aガスチーニッツァ
    マルギラン
終着地 :マルギラン 宿泊代 :4$
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2004年8月3日(火)
道路標識  みんなかなり上機嫌
道路標識 みんなかなり上機嫌
今日はオシュを出発してウズベク領内のフェルガナ盆地に向かうわけだが、ルートをかなり迷った。リシュタンまで直線的に行くならオシュから西のアラヴァン方面ヘ進む。詳しい地図は手元にないが川の走行からして山越えになるはず。チリ.ウストゥンという鐘乳洞があるらしいからやはり山なんだろう。きっと悪路だ。もう1つのルートはまずアンデイジャン(ウズベク領内)へ向かうというもの。こちらだとオシュを出てすぐに国境を越えるので道路状況はよいと思われる。ただしアラヴァン経由より20km以上遠回りになる。...さてどうするか。結局、アンデイジャンルートに決めた。距離は長くてもこちらの方が快適だろう。

ホテルを出て4kmほど走るともう国境。普通の検問だと勘違いしていつものようにパスポートを渡したら、出国スタンプが押されて帰ってきた。税関はあるのだろうがどこかわからなかった。キルギス側の手続きはあっという間に終わった。続いてウズベク側ヘ。軍服のグリーンが淡いのが印象的。税関の書類は英語なしでよくわからなかったが、日本人が1人いて教えてもらって書いた。ギターを持っていた彼は若く見えたがずっとタメロで不思議な感じの人だった。自転車は税関の小屋に入れてもらえず外に止めさせられ、リアのパニアバッグとフロントバッグの2つだけX線検査にかけた。何か言われそうなのでGPSとPDAはズボンのポケットに入れてしまっていて、X線検査はパス。自転車はほとんど見られずフロントキャリアにくくりつけた荷物はノーチェックだった。キルギス入国の時よりいい加減だ。時間はかかったがトラブルなしで税関を終えて少し進むと今度はパスポートコントロール。ここで入国スタンプを押してもらうわけだが係がすぐに来ずかなり待たされた。最初に対応した軍人は自転車を指してノーと何度も言っていたが係は何も言わずに入国スタンプを押してくれた。軍人のほうはもしかしたら単に賄賂がほしかっただけか。係が来るまでの持ち時間が決まっていたりして。

ウズベキスタンに入ってからずっと道がよい。オシュを出てから左側にずっと山が見えていたからチリ.ウストゥン方面へ行かなくて正解だろう。ホテルを出発してからずっと下りで快適に進む。交通量はキルギスよりかなり多いがキルギスと同じくマナーはわりとよく、中国とは異次元の世界だ。みんな本当によく声をかけてくれて激励が止むことがほとんどない。フェルガナ盆地は人口密度が日本並みと聞いていたがたしかにその通りで、道路沿いはほとんど常に人の暮らしている気配がある。トイレに行きたくても用を足す場所を探すのに苦労するほどだ。ただしカフェは一部のドライブインを除けば見かけることは少なく、腹が減ってから昼食にありつくまでけっこう走った。日本人なんか普段来ないのでみんながこちらを見ている。ブロフ(ピラフ)はあまりおいしそうでなかったので、またしてもラグマンを注文。お茶は紅茶と緑茶があり緑茶を頼んだ。お茶が2種あるのはとても興味深い。ウズベクソムがないので支払いはキルギスソムで。20ksだから50円ちょっと。安いなあ。

気分よく別れを告げて出発した時、自転車に異変が。後輪がぺしゃんこになっている。空気圧が薄いなとは思っていたがパンクしていた。14回目のパンク(後輪12回目)。いい機会なのでタイヤも本来の「マラソン」に戻した。道がいいからこれでいけるだろう。作業は奥の建物の中でやらさてもらい、店員が手伝ってくれた。その合間にもボスがやってきて「さぼるな、働けー!」とタバコ片手に怒鳴りつけにくる。ここでパン粉を作って出荷しているようだ。私が店員に「ビッグボス」というと彼は笑って「ヤクザ」と言っていた。出発の際には冷えた水をただでくれ、金を払おうとしても受け取らない。この気持ちがうれしい。

クヴァという町では仏教遺跡の前を通った。この地もイスラム化される前は仏教文明が栄えていたのだ。ここでアイスを食べている人を見かけたが、ウズベクソムがないのでアイスを買わず。悔しい。クヴァからはフェルガナ(みんなファルガナという)とマルギランに道が分かれる。フェルガナは大都市で宿代が高いというのでマルギランヘ向かった。この時点で90km近く走っており、さらに30km走るのは大変だったが何とかマルギランへ。日中の暑さは砂漠に比べれば軽いが西日が正面からくるのできつかった。マルギランでホテルの場所がわからず道を尋ねたら3kmも乗り合いタクシーが誘導してくれた。こんなの初めてだ。ありがとう。

ガスチーニッツァ(ホテル)マルギランの場所はバスターミナルの脇だが本当にわかりにくかった。宿代は4$(4000us)と言われ、10$渡して釣りをソムでもらおうとしたら拒否された。闇両替の取締りが厳しくかなり気を使っているようだ。パスポートを預けさせられたあと、仕方なく自分で闇両替屋を探しにバザールへ行く。噴水の近くでたむろしているお兄ちゃんたちに声をかけて車に乗せてもらい、少し走る。途中で両替屋に声をかけて車に乗せ、さらに走り住宅街の路地へ。ここで取引をした。拉致されたらどうしようかと思った。100$渡したら500ソム札100枚の束が2つ出てきた。数えるのが大変だ。余ったキルギスソムもウズベクソムに両替できてウズベク暮らしは当分は問題なさそうだ。

札束をカバンに忍ばせて夕飯ヘ。ビン.ラディン似のおじさんと相席になりシャシリクを食いまくった。隣のテーブルからはこれでもかとメロン(瓜?)が差し入れされて完全満腹状態。店員やビン.ラディンがデジカメに興奮し一緒に写真を撮りまくってからホテルに帰った。ウズベク初日は最高だった。
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