シルクロード日記:中国
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 天  候:晴れのち雨  最高高度:4024m
最高気温:22度 終点高度:2392m
最低気温:14度 終点緯度:42.52.79
走行距離:53.8km 終点経度:86.34.83
走行時間:5時間53分 宿  泊:C河原
終着地 :-- 宿泊代 :0元
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2004年7月5日(月)
羊は臆病なのですぐ道を譲ってくれる  氷河を上方から見下ろす
羊は臆病なのですぐ道を譲ってくれる 氷河を上方から見下ろす
予想どおり二日酔い。頭がガンガンする。胸がムカムカする。標高3000m以上の高地で二日酔いを経験するとは。主任に至っては寝たまま吐いたようでそこら中を汚していた。私が出発するのが寂しいようでスネてしまい、話しかけてもちゃんと返事しない。昨夜だって私をひき止めようとして、潰しにかかったのかもしれない。
しかし私は運動して酒が抜けることを期待して出発。スネた主任に写真撮影を断られた。頂止まであと10kmと言われたが、きっと最後はとんでもない上りなんだろう。上へ進んでいっても羊や馬の姿は消えず、その近くにはパオがあったりする。みんな土地が平らで水場が近ければどこにでも住んでしまう。馬に乗った人に追い越されたりしながらゆっくり進む。やがて1号氷河取水站の看板が並んだ集落へ。ここまではいいぺースだ。この集落は現在整備中の観光村で小屋を作ったりしていた。パオから出てきたおばあさんが何やら私の聞いたことのない言葉を話していた。カザフ語か?

いつの間にか酒が抜けてきた。観光村のある平地を過ぎて上りに入ったところで、羊の群れに遭い進めなくなってしまった。まるで「ちゃりんこ西方見聞録」の表紙みたい。その後、どんどん氷河の方へ近づいていく。これは「1号氷河」と言って「地球の歩き方」で紹介されている。氷河を真っ正面に見て写真を撮り、ふと右を見ると絶壁のような山が。急すぎて上がどうなっているのか見えない。「東京フレンドパーク」の、2人でバランスを取りながらボールを下まで運ぶゲームがあるが、あんな感じのつづら折りの道だ。思わず笑ってしまった。楽しむしかない。高度3500mを越えて息が上がりやすくなり、500m漕いだら休憩といったスローペースで進む。路面は最悪でしかも幅が狭いため、時々車が通るとその度に止まる。しかし終わらない坂はなく、ついに峠が見えた。すでに氷河より高い位置におり、上から見下ろしている。峠には一応モニュメント(?)があり布がたなびいていた。撮影を頼む相手はおらず、一人で記念撮影。三脚をすぐ出せるようにしておくべきだった。

さあ今度は待望の下りだ。しかし...。峠の反対側は予想以上に厳しいダートで、ブレーキを強くかけっぱなし。大きな石がゴロゴロしているところを急勾配で加速してしまうので自転車が悲鳴を上げる。「ガン、ガン」という大きな音を聞くたびにパンクしたかと思う。パンクならまだいいがキャリアが折れないか心配だ。この道は本当はブロックタイヤが必要だろう。思いつきでとんでもないところに来てしまった。もちろん来た甲斐はあったのだが。そして10回目のパンク(後輪9回目)。ダート道のまわりは大草原と小さな川が広がり、家畜の姿もない。完全な無人地帯だ。どっかりと腰を下ろしてパンクを直した。この辺はキャンプには最適に思えるが、夜は冷え込むのできついだろう。道が悪くてなかなか進めないが、何とか下って少しでも気温の高いところへ行きたい。

途中に小さな集落があり食堂に入った。宿はなく、食堂の人に泊めてもらうよう頼むか迷った。しかし、ここの親父がとんでもなく無口なウイグル人で、頼む気になれず。
円佗台という村を目指してサイクリング続行。だが日没までに間に合いそうになく、結局は河原にテントを張る羽目になった。廃墟(壁だけ)を見つけたので 少しは寒さをしのげるかなと期待しつつ寝袋に入った。
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